はじめての着物ガイド

「着物って難しそう」——そう思って、ずっと気になってるけど踏み出せていない人は多いのではないでしょうか?

なんとなくルールが多そうで、失敗したら恥ずかしくて、お金もかかりそうで。

でも実際に始めてみると、思っていたより全然ハードルは高くありません。

この記事では、メンズ着物を始めたい初心者に向けて「何から揃えればいいか」「どう着こなすか」「最初の一歩をどう踏み出すか」を、難しい話抜きでまとめました。

読み終わる頃には「なんかいけそう」と感じてもらえるはず。

目次

メンズ着物って実はそんなに難しくない

着物に対して「ルールが多い」「間違えたら恥ずかしい」というイメージを持っている人は多いと思います。でも、それは少し大げさな話です。

着物を洋服と比べてみると、基本的な違いは「どうやって着るか」だけ。洋服がボタンやジッパーで留めるのに対して、着物は紐で体に巻きつけます。それだけです。

「格式」や「マナー」の話は確かにあります。でも、それはフォーマルな場面での話。普段着として街を歩くだけなら、そんなに気にしなくて大丈夫です。

ジーンズにスニーカーを合わせるのに、細かいルールを気にしないのと同じ感覚でいい。着物も、普段使いならファッションとして自由に楽しめます。

まずその前提を持っておくと、ぐっと気が楽になります。

初心者がまず揃えるもの

「全部ちゃんと揃えてから始めよう」と思うと、永遠に始められません。最初は最低限でOKです。

最低限これだけあればOK

着物を始めるのに絶対必要なのは、この3つだけです。

  • 着物:メインのアイテム
  • :腰に巻いて着物を固定するもの。男性用は「角帯」が一般的です
  • 腰紐:着物を体に固定するための紐。着物だけなら1本でOKです

足元はサンダルでもブーツでもなんとかなります。まずはこの3点を揃えて、実際に着てみることが大事です。

一式揃えるなら

慣れてきたら少しずつ揃えていけばOKです。フル装備はこんな感じ。

  • 襦袢(じゅばん):着物の下に着るインナー。洋服でいうシャツです。襦袢を着る場合は腰紐がもう1本必要になります(合計2本)
  • 羽織(はおり):着物の上に羽織るアウター。ジャケット感覚で使えます
  • 羽織紐:羽織の前を留める紐。アクセサリー感覚で選べます
  • 足袋(たび):和装の靴下。白が定番ですが、色柄ものも面白いです
  • 草履・雪駄・下駄:和装の履物。最初は下駄が気楽でおすすめです

ただ、最初から全部揃える必要はまったくありません。少しずつ足していけばいいし、最終的に「これは自分には要らない」と気づくアイテムも出てきます。

最初の一着の選び方

着物選びのポイントはたくさんありますが、ここでは3つに絞ってお伝えします——色・素材・価格帯です。

色:迷うなら無難に、ピンと来たならそれが正解

最初の一着で迷ったら、コーディネートしやすい色を選ぶのがおすすめです。

具体的には、紺・グレー・黒・茶あたりが無難。どんな帯とも合わせやすく、洋服と組み合わせてもしっくりきます。

ただし、「これだ!」とピンと来た着物があれば、それが正解です。気に入った色や柄の方が、結果的によく着ることになります。迷うなら無難に、心が動いたならそれを選ぶ。それくらいの気軽さでOKです。

素材:扱いやすさ重視で選ぶ

着物の素材はいろいろありますが、最初はポリエステルがおすすめです。

洗濯機で洗えて、シワになりにくく、価格も手頃。絹(シルク)は高価で扱いに気を使うので、着物に慣れてからでいいと思います。

「ポリエステルは本物じゃない」という意見もありますが、普段着として着るなら全然問題ありません。まず着ることの方が大事です。

もし浴衣から始めるなら、綿や綿麻も選択肢に入ります。浴衣はもともと綿や綿麻が主流なので、選べる幅が広がります。洗濯で多少縮んだりシワになったりしますが、夏のカジュアル着としてはとても着やすい素材です。

価格帯:最初は仕立て上がりの着物を売っているお店で

「リサイクル着物が安くておすすめ」とよく言われますが、メンズ着物の初心者には少しハードルが高いのが正直なところです。

理由は3つ。

  • 男性物のリサイクル着物はそもそも数が少ない
  • 昭和初期頃の着物が多く、当時と現代の男性の平均身長が違うため、サイズが合わないことが多い
  • 生地・糸・仕立て寸法の違いを見極める知識が必要

つまり、自分に合うリサイクル着物を見つけるのは「宝探し」に近い作業になります。

初心者におすすめなのは、仕立て上がりの着物(既に着物の形になっているもの)を売っているお店に行くことです。

価格の目安はこんな感じ。

  • 仕立て上がりの着物:1万5千円〜。3〜6万円くらいでよいものが見つかります
  • 浴衣:1万円以下でも見つかります
  • 呉服屋さんで正絹を仕立てる場合:10〜50万円が相場

店舗なら店員さんにサイズの選び方や素材のことを相談しながら買えるので、初めての一着には向いています。ネットでも同じ商品が安く買えることもありますが、サイズ感や素材感がわかってからの方が失敗しません。

簡単なコーディネートの考え方

着物のコーディネートは難しく考えなくて大丈夫です。洋服と同じ感覚でOKです。

色数は2〜3色に絞る

コーデで迷ったら、使う色を絞ることが一番の近道です。着物・帯(・羽織)の色を2〜3色に抑えるだけで、自然とまとまって見えます。

たとえば「紺の着物 + 白の帯」のように、シンプルな2色コーデは失敗しにくいのでおすすめです。

洋服と合わせてもいい

「着物には和装小物だけ」というルールはありません。スニーカーを合わせても、ニット帽をかぶっても、バックパックを背負っても問題ありません。

洋服ミックスは、着物をファッションとして楽しむ上で面白い方向性のひとつです。自分のスタイルに取り込んでいく感覚で、気軽に試してみてください。

失敗しにくい組み合わせ例

  • 紺の着物 + 白or灰の帯
  • グレーの着物 + 黒の帯
  • 茶系の着物 + 濃紺の帯

どれも色が喧嘩しにくく、初心者でもまとめやすい組み合わせです。実際のコーデ例はInstagramでも発信しているので、参考にしてみてください。

まずはここから始めればOK

「なんとなくわかった、でも何から動けばいい?」という方向けに、具体的なアクションを整理しました。

ステップ1:まず1セット揃える

着物・帯・腰紐の3点を揃えるところから始めましょう。仕立て上がりの着物を扱うお店に行ってみるのがおすすめです。

予算の目安は、着物なら2〜5万円程度。浴衣からスタートするなら1万円台から揃えられます。

ステップ2:家で着てみる

いきなり外に出なくて大丈夫です。まず家で着て、鏡の前で見てみましょう。それだけで「着物を着た自分」のイメージがつかめます。

着方は動画で調べれば十分です。最初はうまく着られなくて当然なので、気にしなくてOKです。

ステップ3:近場で着て出かける

慣れてきたら、近所のコンビニでも、散歩でもいいので外に出てみましょう。意外と周囲の反応は「おしゃれだね」のことが多いですよ。

ステップ4:写真を撮る or SNSに投稿する

着た姿を写真に残すと、自分のコーデの振り返りができます。SNSに投稿すると、同じ趣味の人とつながれて楽しさが広がります。

完璧なコーデじゃなくて大丈夫です。「着てみた」というだけで十分な第一歩です。

よくある不安とその答え

「自分に似合うか不安…」

着物は体型を選ばないと言われています。むしろ、細身でも筋肉質でも着こなしやすい服です。似合うかどうかは、着てみるまでわかりません。まず試してみてください。

「着方が難しそう…」

最初はうまく着られなくて当然です。難易度のイメージとしては、スーツのネクタイを締められるようになるのと近い感覚。何度か練習すれば15〜20分で着られるようになります。YouTubeに着付け動画はたくさんあるので、それを見ながら練習すれば十分です。

「街で浮かないか不安…」

実際に着て外を歩くと、思ったより浮きません。むしろ「おしゃれ」「かっこいい」と声をかけられることの方が多いです。着物は今、ファッションとして再注目されています。

「お金がかかりそう…」

正絹の着物を呉服屋で仕立てるなら確かに高額ですが、仕立て上がりの着物や浴衣なら1万円台からスタートできます。最初から完璧なものを揃えなくて大丈夫。少しずつ揃えていけば問題ありません。

まとめ

着物を始めるのに、完璧な準備は必要ありません。

最低限の3点を揃えて、とりあえず着てみる。それだけで十分です。

着物にルールはありますが、普段着として楽しむ分には気にしなくていいことがほとんどです。ファッションとして自分なりに取り込んでいく感覚で、気軽に始めてみてください。

正解は一つじゃないし、失敗しても誰も困りません。まずやってみることが、一番の近道です。

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この記事を書いた人

東京キモノショー実行委員|男の着物「藤木屋」スタッフ
博士(工学)から着物男子に転身👘
初心者でも真似しやすい「男の着物コーデ」や「カジュアル和装」を発信中。
メンズ着物をもっと身近に!

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